郵便受け投函お知らせサービスについて

 さがみはら産業創造センター(略称 SIC、神奈川県相模原市緑区5-4-21)にて実施中の「郵便受け投函お知らせサービス」実証実験のサポートサイトです。

設置の様子
設置の様子

要約

 本サービスは、郵便受けに郵便物、宅配便(投函扱い)、チラシなどを投函した際にボタンを押していただくことで、郵便受けの利用者に通知が送られるものです。

 本サービスにより、利用者は不要な郵便受けの内容確認作業を削減することが可能となり、業務効率化、リモートワーク、労働安全(従業員の感染防止)の推進を行うことができます。

 また本サービスに協力してくださる投函者(投函時にボタンを押す)は、大切な投函物を一刻も早く利用者の元に届けることができ、タイムリーな情報提供が可能となるだけでなく、投函物の覗き見や抜き取りといったトラブルを防止、削減する効果が期待できます。

利用者に送られる通知の例

実験の概要

  • 実験期間
    • 2020 年 7 月 15 日(水)〜9 月末ごろ
    • 社会情勢の推移を見ながら決定
  • 実験場所
    • さがみはら産業創造センター SIC-1, SIC-2
      • 神奈川県相模原市緑区西橋本 5-4-21
  • 実験内容
    • 当社郵便受けにシステムを設置し、稼働開始
      • 7 月 15 日(水)予定
      • システムの動作確認および最終調整
    • SIC-1、SIC-2 の入居者に対し、実証実験への参加を募集
      • 8 月初旬ごろ開始予定(最大 8 事業所)
    • 各事業所との調整がつき次第、順次システムを設置し実験開始

背景

 コロナウィルス(COVID-19)による経済活動の自粛や「新しい生活様式」の普及に伴い、オフィスへの出社機会が大きく減少しております。メール受け取り専用の部署や施設を持つ大企業と異なり、中小〜零細企業、個人事業者においては郵便物や宅配便の受け取りに困難を生じているだけでなく、これらのチェックのために無駄な出社を強いられることで経済的損失のみならず従業員への感染機会を増大させてしまう事態が発生しています。

 一方、宅配便(投函扱いを除く)については各社から到着お知らせサービスや配送先変更サービスなどが充実しており、これらを適切に利用することで上記の困難を避けることが可能となっています。しかしながら、直接郵便受けに投函される郵便物、宅配便(投函扱い)、チラシ等については実際に郵便受けを確認する以外に方法がありませんでした。

 また、運送各社への負担を軽減するため、また配達者の安全確保(感染防止)のため、対面を伴わない配達方式(投函扱い、置き配など)が増加傾向にあり、比較的高い価格帯の商品にもこれらの配達手法が利用されるようになってきております。盗難やプライバシー侵害の被害を避けるためには投函からお客様受領へのリードタイムを削減することが大変重要で、荷物の到着を速やかにお客様にお知らせするシステムのニーズが高まっております。

当社サービスの特徴

 郵便受けに投函されたことを検知するシステムにはいくつか事例がありますが、いずれも性能や費用の点で困難があり、普及には繋がっておりません。課題を整理すると、下記の問題点をクリアする必要があることがわかります。

  • 低コスト
  • 誤検知の低減
  • 低消費電力化による電源配線レス
  • センサ部分の小型軽量化による設置工事レス、あるいは設置の簡略化
  • プライバシー保護(システムが投函物の情報を取得しない)

 残念ながら、これらの条件を全て満たすセンシングシステムは未だ実現しておりません。

 そこで当社サービスでは、「投函の自動検知」ではなく「投函者にボタンを押していただく」方式を採用しました。本方式では投函を行う方の協力が必要となる反面、コストや電力消費が非常に小さいため配線等の追加工事が必要なく、また装置が小型・軽量のため両面テープ等で容易に設置できます(設置環境によっては盗難防止対策等が必要になる場合があります。また屋外に郵便受けがある場合は設置できません)。

システム構成

 システム全体のコストを下げるためには、ハードウェアだけでなくシステム開発・運用コストにも配慮する必要があります。本実験では、当社が保有する IoT システム開発機能を用いた完全内製化によりシステム開発コストを極限まで低減したほか、利用者側の負担が極めて少ない下記のサービス群を採用することで運用コストの最小化を図っております。

  • SORACOM LTE-M Button powered by AWS
    • ボタンが押されたことを安価に通知することのできるサービス
  • AWS Lambda
    • 必要な場合にのみ動作する、極めて安価なコンピュータリソース
  • 既存の通知サービス
    • 無償で利用できる通知サービスに対し当社から信号を送信することで利用者に通知
    • 本実験ではSlackを利用しますが、設定次第でほかのサービスも利用可能です

24時間電話案内サービス

 本実験においては、当社が自社利用のために内製にて開発いたしました「電話受付サービス」の試験運用も並行して実施いたします。本実験専用の電話番号を用意し、完全無人運用にて実証実験に関する情報提供を行います。本電話番号は実験参加者への告知の他、実験サイトであるさがみはら産業創造センター内でも告知いたします。

なお、「電話受付サービス」はAmazon Connectを用いて構築されております。